※売電事業用太陽光発電設備の即時償却制度が今年の3月末(2016年3月末)で終了します。ご愛顧賜りましたお客様、またご支援、ご協力いただきました皆様、心よりお礼申し上げます。
問1 当社は、毎期、平均5,000万円の税前利益を計上し、平均2,000万円の法人税を納税しています。太陽光発電設備に1億円投資し、即時償却を利用した場合、どの位、節税・投資効果が得られるのでしょうか?
答1 次の表のように、10年間で、約1億円、キャッシュ利益が増加します(計算はあくまで概数です)。特に1年目、2年目は大きな節税効果が得られます。
項目 | 細目 | 1 | 2 | 3~10 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
現状 | 所得 | 5,000万円 | 5,000万円 | 5,000万円 | 50,000万円 |
税金 | 2,000万円 | 2,000万円 | 2,000万円 | 20,000万円 | |
キャッシュ利益 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 30,000万円 | |
対策後 | 所得 | 6,000万円 | 6,000万円 | 6,000万円 | 60,000万円 |
税金 | 0万円 | 800万円 | 2,400万円 | 20,000万円 | |
キャッシュ利益 | 6,000万円 | 5,200万円 | 3,600万円 | 40,000万円 | |
差引 | 所得 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 10,000万円 |
税金 | -2,000万円 | -1,200万円 | 400万円 | 0万円 | |
キャッシュ利益 | 3,000万円 | 2,200万円 | 600万円 | 10,000万円 |
※ キャッシュ利益=税引利益+減価償却費
問2 当社は、前期に、1億円の税前利益を計上し、4,000万円の法人税を納税しました。当期以降は業績が振るわず、利益は0円を予想しています。今となっては、納付してしまった法人税が惜しまれますが、取り戻す方法はないのでしょうか?
答2 太陽光の即時償却の制度と繰戻還付の制度を使って法人税(国税部分)を取り戻すことが可能です。ただし、法人住民税は繰戻還付の制度がありませんので、欠損金の繰越控除の制度を利用することになります。その結果、問1同様、次の表のように、10年間で、約1億円、キャッシュ利益が増加します(計算はあくまで概数です)。
項目 | 細目 | 前期 | 1 | 2~10 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
現状 | 所得 | 10,000万円 | 0万円 | 0万円 | 10,000万円 |
税金 | 4,000万円 | 0万円 | 0万円 | 4,000万円 | |
キャッシュ利益 | 6,000万円 | 0万円 | 0万円 | 6,000万円 | |
対策後 | 所得 | 10,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 20,000万円 |
税金 | 4,000万円 | -2,340万円 | 260万円 | 4,000万円 | |
キャッシュ利益 | 6,000万円 | 3,340万円 | 740万円 | 16,000万円 | |
差引 | 所得 | 0万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 10,000万円 |
税金 | 0万円 | -2,340万円 | 260万円 | 0万円 | |
キャッシュ利益 | 0万円 | 3,340万円 | 740万円 | 10,000万円 |
問1 当社は、太陽光発電設備による法人税の節税を検討しています。かつて代表的な節税商品でありました逓増定期保険と比較して、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
答1 太陽光発電設備による節税と逓増的保険による節税を比較すると、次のようなメリット・デメリットがあります。会社の財務の状況等に応じて、どちらを活用すべきか判断すべきでしょう。
太陽光発電設備 | 逓増定期保険 | |
---|---|---|
損金割合 |
設備投資の全額が損金になります。 | 支払保険料の1/2が損金になります(h30.2.27以前契約分は全額が損金)。 |
支出回数 |
1回の支出で大きな節税が図れます。 | 解約するまで継続して保険料の支出が必要なので、次年度以降の資金繰りも考える必要があります。 |
支出金額 |
一定規模以上の設備投資が必要ですので、投資金額を自由に設定しにくいところがあります。 | 保険料の金額をかなり自由に設定できます。 |
回収金額 |
投資額を全額回収した後も、設備を維持できる限り、制限なく資金回収の上積みを図れます。 | 支出額の8割~9割程度の回収が出来ます。返戻率のピークがあるので、解約時期に注意が必要です。回収できない部分は、保険機能の対価と考えられます。 |
換金性 |
設備を第三者に売却することは可能ですが、保証はありません。 | いつでも自由に換金できます。ただし、タイミングにより返戻率が変わるので注意が必要です。 |
出口対策 |
一度に多額の益金が発生しないので大きな出口対策は不要です。 | 解約時に多額の益金が発生するので出口対策が必要です。 |
資産性 |
ローリスクで安定収益を生む事業用資産と位置づけできます。 | 保険機能と貯蓄機能を兼ね備えた金融資産と位置づけできます。契約者貸付による融資も可能です。 |
問2 当社は、当期に、以前契約した逓増定期保険の返戻率のピークを迎えるため、解約を検討していますが、その際に1億円の益金が発生します。課税されずに済む方法はないのでしょうか?ちなみに経営陣の変更は予定していません。
答2 太陽光発電設備に1億円投資すれば、解約による1億円の益金と1億円の特別償却を相殺して、課税されずに済ますことが可能です。